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朝からその事を考えずっと頭が回らない
回っているが故に他の事を考えられないのかもしれないが…
「山下!具合でも悪いのか?」
担任がホームルーム中ずっと虚ろな俺に気づいたのか声を掛けてきた
一気に現実に戻ってきた
クラスのみんなが俺を見ている
「いえ、大丈夫です。」
俺はキョドった声で答えた
クラスのみんなに見られるなんか今まで一度もなかった。実際そうなると恥ずかしさが尋常じゃない
ホームルームが終わっても冷や汗がなくならないくらいだ。
俺は正直余り活発なタイプじゃない。
「山下どうかしたのか?」
友達が心配してくれたのか話掛けてきた
「いや大丈夫。考え事をしてた」
「お前が考え事かよ?珍しいな。」
そんな他愛もない話で休憩が終わりかけた頃友達の聡介がこんな話を取り出した
「俺のPSP見てくれよ?昨日落としたらさ運悪くオシャカになっちまった…」
聡介のポケットから取り出されたPSPは地面との衝撃に耐えられなかったのか見事に壊れている
「ちょっと貸して」
俺は好奇心からPSPを手に取った
「あぁもういらないからやるよ笑 返すなよ?新しいの買おうっと!」
そう言って聡介は席に戻った
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴りPSPをポケットに入れ席に着いた
一限目は俺が一番嫌いな数学だ。
授業開始15分で授業に飽きてきた俺は何か暇が潰せないかと探っていると聡介のPSPに気がついた
机の上に教科書を立てて先生に気づかれないようにPSPを触る
これ完全に壊れてるなぁ…画面割れてら
電源を入れても反応がなくうんともすんとも言わない
するとふとあの夢の泉で飲んだ水の味が口の中に蘇ってきた
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