美夏の話

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いつもの道をいつものように歩く。 なんの変哲もない日常。 家に帰ってみた所で誰もいないのは分かってるし、ただ蒸し暑い部屋が待っているだけ。 パパもママも仕事だから仕方ないのは分かってる。 頭ではね。 頭ではしっかり分かってるのに寂しいのは小さい頃から我慢しているせいだと思う。 小さい頃の私は何も言えなくて、良い子でいればいつかパパやママが構ってくれるって思ってた。 構ってくれなかったけど。 その代わり欲しい物はなんでも手に入った。 お金で買える物限定だけど。 お小遣いも多分世間一般の家庭よりは多いと思う。 多分不自由ではない。現に不自由はしてないから。
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