美夏の話

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『お~、姫今来たのか~。』 画面上に吹き出しが現れる。 画面下にはチャットが表示されているが、このゲームはキャラクターの頭上に吹き出しが出てきてセリフが反映される。 更にスキルを使えばポーズ?すらとるのだ。 私のキャラは自分で言うのもおかしいけど可愛い。 今話しかけてきたのは私のキャラの旦那様であり相方のアル。何故か私を姫と呼ぶ。 私のキャラの名前はマナなのに。 『アルやっほ~。今日は暇人なの?』 私は馴れた手つきでキーボードを叩く。 戦闘時に素早く会話する事でかなり打ち込みは早くなった。 レベルが低い頃は良くもたついて死んでたっけ。 思い出してふと笑ってしまった。 『お~、姫も暇人なんだろ?学校夏休みだっていうのに花の女子高生が。』 アルはそういうと私のキャラの周りを回った。 『花の女子高生でも暇な時は暇なんです~!てかアル、これから狩り?』 『ん~、姫も来た事だし廃屋でも行ってみる?窓手でも良いけど。』 『ん~、臨時募集でもして荒稼ぎでもいいよ。城で。』 『城はハゲが激しいからなぁ。まぁナイトがいれば大丈夫か。』 狩り場の略語を並べ立てる私達の横を低レベルのノビと呼ばれるキャラが通り過ぎる。
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