美夏の話

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ノービス(略してノビ)はまだ職業を決める前の状態を指す。 ここからスキルレベルを9まで上げてから転職するのだ。 私のキャラやアルのような魔法使い系キャラはこのノビの時代に苦労するのだ。 体力や力にステータスが振り分け出来ないので1人でレベルを上げるのがかなりキツい。 ノビを見ると声をかけたくなるお節介な私。 そんな私と長いつきあいのアルは、察したのかノビに声をかけた。 『そこのノビさん、初心者さん?』 呼び止められたノビはこちらを振り返って動きを止めた。 少しの沈黙。 『えっとさっき始めたばかりです。』 ゆっくりとノビが会話する。 打ち込みのペースから言ってかなりの初心者とみた。 『職業は何を目指しているの?』 私はゆっくりと尋ねる。 初心者さんに高速チャットは御法度だ。 またしても少しの沈黙。 『とりあえずプリーストを。キャラクターが可愛いから。』 ノビはそう話すと足元にいた初心者向けの敵を攻撃した。 初心者用の敵とは言え、ノビにはかなり痛い攻撃をしてくるのでさりげなく私は回復魔法を使う。 無事倒し終えたノビさんのレベルが上がる。 『おめでとう~!』 私は祝福して回復魔法を唱える。
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