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「吸ってねぇだろ、現に」
「止める気で?」
「…別に」
ほらやっぱり。
浜谷持ち前の、行き当たりばったり。
値上がり、我慢、イライラ。
頭に浮かぶどの言葉も説教じみちゃうな…
と、次の一言を迷っていたら、
DSの画面をパタリと閉じて、浜谷が僕を見上げた。
「何だよその目ぇ…俺が吸ってる事で今までお前にメーワクかけたか?え?」
「ん、迷惑ってほどでもないけど…」
「…って、あんのかよっ」
「あっても言わない」
「そこまで言っといてそりゃねぇだろうが」
「だって言ったら怒るもん」
チューする時、咽る。
ときどき。
裂けても言えない口の代わりに、
赤くなって慌てて下を向いた顔が、僕の秘めたる主張を代弁してくれちゃったみたいで…
「おまっ…」
浜谷の太眉の間にみるみる皺が寄る。
何て察しがいいんだろ、この人…
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