第一幕:ここから始まる一枚看板

12/16

10人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
ところ変わって空。 雲の下を飛ぶ2人と1体は、町の方角へと進んで行く。 「大丈夫ですか……マスター?」 ななよのやや後ろを飛ぶヒルデは、未だ危なげに飛行する主を心配する。 「大丈夫……かな。最初よりは大分マシになってきた」 「そうだね~流石に最初のあれは焦ったけど、やっぱり実践で成功してこその鍛錬だよね。うんうん(笑)」 少し余裕の出てきたななよと、その隣を仰向けになりながら優雅に飛行する紅葉。 飛び始めて少しの頃、危ういバランスを保って飛んでいたななよが、突風に煽られ墜落したのである。 落下していくななよを捕まえようとする紅葉。けれど伸ばした手は僅かに届かず、ななよは地表に一直線。 あわや物語完結と思いきや、突如ななよの周りが光出し、消えた頃には無傷で着陸しており事なき終えた。 何が起きたのか誰も判らず、服の特殊効果では? という結論で一応まとまっているが、不思議な現象であった。    
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加