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現在は最初に比べ、大分スピードを落として進んでいる。
流石に2度目も落下するのは、本人も周りも心臓に悪く、先程の光が再度現れるか確証が無い為である。
紅葉も優雅に飛んでいるが、ななよの近くにおる、いつでも助けに入れるよう注意している。
「でもななよ、本当に大丈夫? 咄嗟の事でよく分からなかったけど……」
「体には異常はありません。魔力の方もヒルデが顕現したままなので、特に心配はいらないかと思います」
ななよの後ろを飛ぶヒルデは静かながらも、主が心配なのか少し挙動不審である。
「そっか……なら、お願い!! さっきのはお兄ちゃんには秘密にして!! 不慮の事故とはあんな事知れたら……ブルブル……」
必死の形相でななよに詰め寄る紅葉。言葉には出なくても体が僅かに震え、今にも泣きそうな顔である。
「り、了解です。紅葉がそう言うのであれば、特に報告はしませんが……大丈夫ですか紅葉?」
「うん、一応は……。お兄ちゃん怒ると怖いから、つい条件反射で……。でもありがとうななよ!! これで安心だよ~」
先程とうって変わり、上機嫌に笑いながら跳ねるように飛ぶ紅葉。
しかし、不意に何処からか声が聞こえてくる。
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