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それから10分後。
「うぅ……非道いよ月見さん……せっかくのお祭りで警備だなんて、殺生だよ~」
意気消沈した紅葉と、同じく少し残念そうな顔をしたななよの姿があった。
「すみません、紅葉。私が修行不足なばかりに……」
「そんな事無いよ!! 元をいえばななよに無理させたのが悪いんだから……」
2人の間にどんよりとした雰囲気が漂う。
結局月見さんの要求はシンプルで、祭りの最中は街の自警団の人と一緒に警備する事であった。
毎回毎回特に大きな問題は無く、小さないざこざの仲介をする程度だが、巡回で決まったルートを通らないとならない。
祭りを自由に回ろうと楽しみにしていた2人には、残念な内容であった。
ちなみに現在ヒルデはいなく、潜在している。
「やっぱりゴメンねななよ……後で何とか月見さんと交渉してみるから、許して!!」
頭を下げる紅葉。
するとななよは、頭を下げる紅葉にゆっくり近づき両頬を抓り上げる。
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