第一幕:ここから始まる一枚看板

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それから10分後。 「うぅ……非道いよ月見さん……せっかくのお祭りで警備だなんて、殺生だよ~」 意気消沈した紅葉と、同じく少し残念そうな顔をしたななよの姿があった。 「すみません、紅葉。私が修行不足なばかりに……」 「そんな事無いよ!! 元をいえばななよに無理させたのが悪いんだから……」 2人の間にどんよりとした雰囲気が漂う。 結局月見さんの要求はシンプルで、祭りの最中は街の自警団の人と一緒に警備する事であった。 毎回毎回特に大きな問題は無く、小さないざこざの仲介をする程度だが、巡回で決まったルートを通らないとならない。 祭りを自由に回ろうと楽しみにしていた2人には、残念な内容であった。 ちなみに現在ヒルデはいなく、潜在している。 「やっぱりゴメンねななよ……後で何とか月見さんと交渉してみるから、許して!!」 頭を下げる紅葉。 するとななよは、頭を下げる紅葉にゆっくり近づき両頬を抓り上げる。   
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