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「いい加減にしなさい、です」
「いたっいたたたた!!」
予想外の出来事に目を白黒させる紅葉。対するななよは少し怒った様子で、眉を八の字にしながら紅葉の頬を抓る。
「過ぎた事をいつまでも悔やむなんて貴女らしくありませんよ。もう気にしてなどいませんので、早く立ち直って下さい。」
「いたっいたっいたたた、分かったから離してよ~」
若干涙目になっている紅葉の言葉に、ななよはあっさり手を離す。
「あ~痛かった、ほっぺた千切れかと思ったよ全く……。でもお陰で、目は覚めたよ~」
「それは僥倖です。では急ぎましょう、遅くなるとまた月見さんに注文を増やされてしまいます」
「確かにそれだけは勘弁だね~。けど急ぐのは大丈夫なの(笑)」
「問題なし(ノープログラム)」
先程まで気まずい雰囲気は一瞬にしてなくなり、最初のように明るく飛び進む2人。
(やっぱり1人よりも誰かと一緒なのは楽しいな……。ありがとう、ななよ)
こっそり心の中で感謝している紅葉であった。
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