第一幕:ここから始まる一枚看板

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『・・・』は主に居住スペースとなっており、ななよ達が基本的に寝食をしている場所である。 ななよが掃除具を片付け入口に向かうと一組の男女が話しをしていた。 少女と青年。親しそうに話しをしている。 「遅くなってすみません」 ななよは話しをしている二人に声を掛けると、頭を下げる。 「わぁ、いつの間に?!」 「やぁ、体の方は大丈夫かい?」 二人の反応は見事に違っていた。 「境内の掃除を終え今し方。はい、御陰様で健康な毎日です」 「ならば結構。病み上がりだから気を付けない」 律儀に二人分返答するななよ。 その返答に青年は頷き、少女は可笑しそうに笑う。 「やっぱりななよは変わってるね~それがまた面白いんだけど……それより、挨拶はいいから早く買い物行かないと!! 帰りが遅くなっちゃうよ」 少女は用事を思い出すと、ななよの手を取り慌てて神社の入口に向かおうとする。
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