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【7年前】
『…ん』
まだ10歳の私は突然目を覚ました。
時計を見ると夜中の2時。
こんな時間に起きるなんて珍しい。
よくわからないけど嫌な予感がする。
(今日はママの部屋で寝よ…)
そう思った私は枕を持って
静かに自分の部屋から出た。
当たり前だけど辺りは真っ暗。
外からの薄明かりで
少しだけ道が照らされているくらい。
私はいつも通っている道を進み
ママの部屋の前で立ち止まった。
そっと扉を開けて隙間から覗くと
僅かにママの声が聞こえてきた。
(あれ??起きてる…こんな時間なのに)
私のパパは…もう居ない。
事故で空の向こうに行ってしまった。
だからこんな時間に起きているなんて
それに声が聞こえるなんて考えられない。
私は恐る恐る扉を開けてしまった。
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