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―――……
「っ…はぁ…」
俺たちは遠くへと走り続けて
気がつけば物静かな場所に来ていた。
「ここまで来れば…大丈夫だろ」
俺はゆっくりと足を緩めた。
続けて女の子も足を止める。
「……」
女の子は声に出さずに
静かに呼吸を整えている。
あれほどの距離を走ったにしては
あまり疲れていない様に見えた。
じっと女の子を見ていると
視線に気付いたのか目が合った。
俺は思わず目を逸らした。
「……」
沈黙が続く。
元から静かなこの場所では
呼吸を整える音しか聞こえない。
「……ねぇ」
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