記憶

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『っ…』 私は頬を押さえてうずくまる。 涙がどんどん落ちていく。 指の隙間から涙が溢れ出る。 『何でアンタが泣くの…??  泣きたいのはこっちよ!!』 アンタなんて言われたこと無かった。 いつも美央って優しく呼んでくれた。 微笑んで抱きしめてくれたんだよ。 『いつもアンタを優先して…  私はいつも我慢してたのよ?!』 今度は髪をグッと引っ張られて そのまま放り投げられた。 髪が何本も抜けたのがわかる。 打ち付けた身体がジンジンと痛む。 『佳奈子。もう止めろって』 上半身裸の知らないの男が言う。 でも本心で言ってるように聞こえない。 面倒くさくて言ってるようだった。 『アンタがいなければよかったのに!!  産まなければよかった!!』 ママは私に近付いて 力いっぱい…私を拳で殴った。
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