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───……カチャカチャ
『こやま、』
「先生です」
───…パチッパチッ
『こやまぁ…』
「知りません」
─────……パラパラ
『ふぇ…、』
「もぉー…なんだよ」
『課題…忘れた』
「知ってますー、あのね?もう期限とっくに過ぎてんの、あと出してないのお前と手越だけ」
『だって…』
「だってお腹壊しててできなかったんだもん、でしょ?」
『うっ、』
「だから言っただろ?ご飯食べる前にやっちゃいなって」
『ん…、』
「好物のときのお前の胃袋は底知らずなの、自分じゃ抑えられないんだから」
『…』
「反省してる?」
『うー…』コクリ
「ほんとに?」
『うー…』コクリ
「明日にはできるの?」
『うー…』コクリ
「もー…よしよし、わかったよ、そんな泣きそうな顔すんなって、もう怒ってないから」
『ほんと…?』
「ちょっと減点だけど待ってあげるから明日にはだすこと」
『うんっ!』
「帰ったらご飯前にすませろよ」
『こやま…』
「…わかったよ、俺も早く帰るから、」
『へへ♥』
───…ガラガラッ
『あ、こやま!』
「んー?」
『今日はご飯、ハンバーグがいいな』
「わかったわかった」
『やったあ♪』
──…ガラガラッ
『こやま』
「あ、やべ」
『お前なーいくら一緒にすんでるとわいえ先生と生徒なんだからな』
「わかってますぅ」
『でもまっすー小山の前ではあんな甘えたなんだね、可愛い』
「ちょ、惚れないでよ!」
『えーちょっと狙ってる』
「ぴいっ!」
『むきになんなよー軽い冗談ですぅー』
「もおー…」
貴久の両親がなくなってから
ずっと一緒だった
いつも俺の後を追ってきて
俺が教師になって
一人暮らしするときも
わざわざこの高校を
志望してまで俺と暮らして
本当に大事な
弟みたいな存在なんだ…
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