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小山side
───バタンッピーッピーッ
会議が意外に長引いて
結構遅くなってしまった
買い物し終わって
車の鍵をしめて
少し急ぎ目に
マンションの入り口へ向かう
「あ…」
だがその横にある
自動販売機の
そのまた横のベンチに
今にも倒れそうなくらい
首がコクコクしている
見慣れた頭が見えた
「ったく、またあいつ…」
はぁ、と呆れるが
大体の理由はわかるため
近くに行って
ミルクティーを買うと
ねむねむモードの
こいつの頬にクイッと
くっつけてやった
『ふぁっ…!?』
くくく…、
めっちゃぴくってなった
可愛いなー。
『ぅ~、あちち…』
うっすら目をあけて
頬をすりすりと撫でてる
『ぁれぇ…?こやまぁ?』
やっと存在に気づいたか…
「こ-ら、また外出てー、中にいろっていつもいってんだろ?」
『んん~、課題わかるとこやったんらけろぉ…、後は小山いないとできないからぁ~、でも暇だし~お腹すいたし~もうすぐ帰ってくると思ってまってたのー』
寝ぼけてんのか
えへへ、と笑うと
たまに舌の回らない状態で
一生懸命理由を言う
『けろそんな待ってないよ?』
「嘘付け、手とかちょー冷たいの、風邪引いたらどうすんの」
『ん-俺暑がりだから大丈夫大丈夫…』
「だめ、俺が困るの」
『くしゅんっ…』
「ほらぁー…おいで」
うぅー…むずむずするぅー、とか言いながら
素直に抱きついてくるから
自分の上着を何とか脱いで
背中に着せてやる
『小山あったかい…』
「今車からおりたとこだもん、そりゃあったかいわ」
『気持ちよくて眠ちゃいそー…』
「こら、とりあえず中入ろ。」
『んー、けぃにぃ…、』
ドキッ…、
ちょ、
今心臓が…、
なんなんだろ…
久しぶりに昔呼んでた
名前で呼ばれて
びっくりしただけ…
そう、多分てか絶対そう…だよね。
「お腹すいたんだろ?」
『ハンバーグ…❤』
「ほら、だから早く作んないと」
『俺今日ペタペタするー』
「はいはい、じゃあまっすーは形作る係ねー」
『小山早く帰ろ!お風呂は入れてあるよー』
「おまっ、さっきまでぐずぐず眠そうにしてたんじゃねーのかよ(笑)」
『ご飯食べないと寝れないもーん♪』
ほんと、相変わらず
めんどくさい奴(笑)
でもそこが
可愛かったりするんだよね
.
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