序章

3/4
前へ
/8ページ
次へ
「おはよ」 という挨拶はあまりしないのが私のクラス。何故かはわからないが、挨拶をしても対外は無視される。…私だけかもしれないが 「明日から夏休みだよ?どうする?」 「予備校漬けだぁぁ嫌だぁぁ」 彼女は久永桜(ヒサナガサクラ)。美術大学合格を目指して、予備校に通っている。この子は声がよく透るし大きいので、クラスでは悪い意味で目立つ。 「頑張って、ほら九月のライブにむけてファイト」 「そうだよライブ!!頑張るわー!!」 朝からボリューム全開の彼女に周りは多少苦笑いを浮かべている。 志望校…か まだ私はどこにも目星をつけていない。いや、つけるつもりはない 第一志望を掲げ、そこに向かって努力する彼女 第一志望を決めず、努力しない私 努力をしないというより 努力するという概念を捨てた 『努力する』は報われないと知っているから 勉強だけではない 私はそれを『友達』で知った
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加