2011年4月11日

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  あなたはどうして美しい。 いつまでも見ていたい。 空に溶けてしまいそうなその色はとても優しく景色を彩る。 宙をハラハラと泳ぐその姿はせわしく流れる時を止めてしまう。 目で追う。 翻る舞う……淀んだ空気の中を。 そのままでいて……。 ずっとずっとそのままでいて……。 でもそれは無理なことだってわかってる。 その美しさはその儚さ故なのだから。 いつまでも泳ぎ続くわけもなく、永遠などないと知る。 きっと永遠は美しくないのだろう。 終わりがあるからこその刹那。 その刹那さ故に美しい。 散るからこそ美しい。 散ってしまう。 その美しさは土にまみれ踏みにじられる。 ウツクシクナクナルヨゴレル。 でもいずれまた咲くからこそそれを待つ。 あなたを待てる。 生きることは醜く、死ぬことは美しくない。 それでも生きてるのは、美しさを知ってしまったから。 醜悪な世界に少しだけ咲く美しさを知ったから。 いつまでも待っていたい……あなたを。 世界はきっと美しい。 きっと美しい世界になる。 願わない祈らない。 そうなるように思ってる。 ネガワナイイノラナイソウナルヨウニ……信じてる。 八千七百六十時間後にあなたを見て、わたしは何を感じるのでしょう。   
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