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「それで11万が必要ってわけか」
俺は兄貴に事情を説明して金の工面をしてもらうことにした
兄貴は俺より五つ上で実家暮らしだから、それなり貯金はある
「頼むよ。絶対返すから」
手の平を合わせながら言った
「彼女が堕ろしたいって言ったのか?」
いつもの声のトーンが違う。目もマジだ
「え?」
そうとぼけると、兄貴は胸ぐらをつかんで来た
「しらばっくれんじゃねぇぞ。
まさか、お前が中絶するように言ったのか!」
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