喜びと空席と予感

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入学式に間に合ったかと 思えばいきなり怒られた。 入学式には 間に合ったが、 学校のチャイムが 鳴る前に校門に 入れなかった。 つまり遅刻。 なので今、 体育館の入り口前で 教頭にこっぴどく 叱られている。 「こんな日に遅刻するなんて…あなた将来、社会にでたときも遅刻をするの?」 髪の毛を全部後ろ にまとめた 女の教頭はメガネを 光らせて言った。 「すみません…」 「それに何?あなたのその髪の毛」 メガネの縁を持ちながら 私の髪をまじまじと見た。 「…っと言いますと?」 なんとなく 言いたいことは わかったが念のため 聞き返した。 「あなたそれは地毛じゃありませんよね?」 「は…?」 「まったく…あなたのような人が来るとうちの風紀が乱れるの。明日から直してきなさい」 彼女はやれやれといった表情で言った。 直すもなにも… 「地毛なんですけど」 むかついた私はただそれだけを言った。 「…そんな明るい地毛見たことないわ。私をバカにしてるの?そうやって反抗するあなたのような生徒がいるから他の生徒にも…」 っとさらに教頭の説教は続いた。 めんどくさい… ここは適当に受け流しておこう… 確かに昔から普通の人より 茶色っぽいけど はなっから 決めつけるなんて… 私は入学式早々 目をつけられてしまった。 .
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