出逢い

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腕の手当ては終わり、 次は顔。 顔は泥がついてたので、 持っていた ミネラルウォーターで ハンカチを濡らして 顔を拭いてあげた。 そうなると顔も近くなり 彼と目があった。 さっきまでは気づかなかったけど… (この人綺麗な顔してる。目鼻立ちいいし目は切れ長で…。よく見れば髪サラサラしてて綺麗な茶色!) 私は男の人に初めて 見とれてしまった。 「…何?」 ずっと顔を拭く手を 休めた私をおかしく 思ったのか、 彼は聞いた。 ぎくっ 見とれてました。 なんて…さすがに 恥ずかしくて言えない。 「べ、別になんでもないです。顔の傷は意外とたいしたことなくてよかった。」 私は目を反らし 話をとっさに変えた。 「そう。」 彼は特に興味なさげに 答えると、 私の顔をのぞきこんだ。 これほど綺麗な顔は あまり見たことが ないのでドキドキした。 「アンタさっきから敬語だけど、俺1年だから。」 「え?」 てっきり先輩かと思った。 「アンタも1年でしょ?入学式いかないの?」 「…いくよ。そっちこそ。っていうかなんで1年ってわかるの?」 「…わかるよ」 フッと笑った 「だからなんで?」 「別にないけど。」 あてずっぽうデスカ。 .
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