~Battle~

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   実際のところ  冷静を装っていたものの、  心はこれ以上ないくらいに  荒れ狂い、乱れていた。  自分が何をしているのかも  自分がどこにいるのかも  ましてや、自分が呼吸して  いるのかもわからないほどに。  それが表に出ないように  呼吸が乱れたりしないように  必死に抑えこんでいた。  できるものなら今すぐに  腰の剣を抜き放ちたい  追い詰めて泣かせて  もうこれ以上ないくらい  死の恐怖に怯えて歪んだ  顔を上から眺めたい  その顔を想像するだけで  自分の顔が悦びに歪みそうに  なってしまう。  下劣な笑い声を漏らしそうに  なってしまう。  それを紅茶を飲んで紛らわす。  このままでは制御が持たない  何か、気が紛れるような  ことをしなければ  そう思い、適当に話題を考え  相手にそれとなく話し掛ける。   
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