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ここは何なのだろうか―?
幾度も歩きつづけた世界。
時間など
自分を拘束し焦らせる
嫌な存在でしかない
そう思っていたが
時間の流れを感じないと
それはそれでとても
気持ち悪くて目眩がする。
何故こんなことになって
しまったのだろうか
僕は何か
過ちを冒しただろうか
果てしなく堕ちていった
記憶をがむしゃらに漁ると
それに該当するような記憶が
浮かび出てきた。
ただ何も考えずに
ただ感情の赴くままに
ただ人を斬った記憶が
あった気がする。
だがそれは、あくまでも
何か感情を持ってやった
わけではなく、それとなく
やっただけのことだ。
そう それは
『人を斬る』
という行為に関して
何も感じないということ。
人を斬るのは殺すこと。
それは
罪と決められていること。
だけどそれは
僕にとってはただの暇潰し
ただの遊び
軽い運動
それ以外には何も示さない
斬った相手に何も思わない。
いや
思いを抱く必要があるのか
否、ないだろう。
人を殺すことを
誰が罪だと決めた?
そしてその罪は
必ず総てに当てはまる。
殺すことの何が悪い?
他人なんか
斬る対象でしかない。
ただの玩具だ
親? 兄弟? 家族?
何だそれ
ただの
俺のがらくた玩具の
ひとつにすぎない
つまらないものだろう?
「気持ち悪い!!」
それは勝手な偏見だ
「何なんだお前は!」
同じことを問い返したいね
「あんたなんか大嫌い!!」
こっちこそ好かれるなんざ
願い下げだね
「出ていけ!!」
あぁ こんなところ
喜んで出て行ってあげるさ
「触んないでよ!!」
お前になんか触る気もないし
触りたくもない
そんな言葉を浴びせて
何か楽しかった?
僕はとても楽しかったよ
そんなふうに群れて
人を見下そうとするお前らを
逆に見下してやるのが
このうえない快楽だったね
ひとりじゃ生きて行くことも
できないような玩具が
ただただ威張ってるだけ
なんて悲しい玩具たちなの
それで、僕は今、結局は
納得いかない罪を罰せられて ここにいるというわけか。
これが罰だと言うのならば
思っていた以上に簡単で
思っていたより苦痛だね
あぁ 僕は 罰せられたんだ
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