19.promise

18/19
前へ
/336ページ
次へ
左手など最初から要らなかったかのような華麗さで、ジョーンのナイフが、振り下ろされた。 ブレインの喉元目掛けて薙いだナイフが、避けたブレインの右肩の衣服と肉を削いだ。 斬られると同時に、跳躍していたブレインは、 肩からの流血で染まったナイフをジョーンの背に突き刺した。 そのまま背の肉を切断する。 綺麗に、切断された背肉から溢れた赤黒い返り血。 返り血を浴びたブレインが、優しく―――嗤った。 それは、正気から外れたこの上なく優しい嗤い。
/336ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10589人が本棚に入れています
本棚に追加