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左手など最初から要らなかったかのような華麗さで、ジョーンのナイフが、振り下ろされた。
ブレインの喉元目掛けて薙いだナイフが、避けたブレインの右肩の衣服と肉を削いだ。
斬られると同時に、跳躍していたブレインは、
肩からの流血で染まったナイフをジョーンの背に突き刺した。
そのまま背の肉を切断する。
綺麗に、切断された背肉から溢れた赤黒い返り血。
返り血を浴びたブレインが、優しく―――嗤った。
それは、正気から外れたこの上なく優しい嗤い。
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