7.in-10years

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あの日を境に、じいやとローズには遭っていない。 あの木漏れ日に包まれた淡い時間は、 ――――見ようとしても、もう見えない。 呼吸をする度に、既に痛むはずのない背中の切り傷が疼く。 ブレインの認識番号は背中に刻印されていた。No38. 爆破で粉砕した建材の端切れで背を切り刻んで、チェッカーを外した。 ――――愚かで無様で滑稽な傷痕。
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