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「まず学級委員から決めるぞ! 誰か立候補するやつはいないのか? いないなら推薦にするぞ」
先生が学級委員をしてくれる人を促す。
みんなも誰がやってくれるのかと、あたりを見渡していた。
学級委員会というのは簡単に言えばクラスのリーダー的存在だ。
まぁオレとは全く縁のないものだな……
誰がやんのかなぁとぼんやり考えていると、あのバカがこんな事を言いだした。
「学級委員に藤岡さんを推薦しま~す!」
「何でだよ! ってかそんな時だけさん付けするな!」
調子の良い拓郎に軽くムッときた。
「ほぉ。藤岡か。クラスメイトに推されるくらいだし、やってみればいいじゃないか。
君は転入生だ。学級委員は活動が多くて交流もあるから、友達の輪が広まっていいぞ」
先生も先生ですごいオレを説得しようとしている。
「そうだぜ斗真! 俺はお前がやってくれると信じてる!」
目をキラキラ輝かせて言うのはやめろ。本気でキモい。
「けどオレそういうの苦手だし……」
とりあえず学級委員なんで面倒くさい仕事をしたくないオレは適当なことを言って、言い逃れようとした。
「人生というのは経験して濃くなるものだ。挑戦してみる気はないか?」
先生も他の人が学級委員をやらなそうということを判断したのか、熱心に色々なことを言ってくる。
結局オレは先生の熱意とクラスの視線に負け、しぶしぶ承諾することにした。
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