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時は放課後。
オレはいくつかの部活に勧誘されたがやる気もないので丁寧に断った。
拓郎も帰りのあいさつが終わった直後……
「街の民がオレの助けを求めている!」
と叫び颯爽と教室を出てしまったので、一人で帰っているのだが……
なんでかな、5メートル前ではずっと一ノ瀬さんが歩いている。
しばらく歩いていると一ノ瀬さんもオレのことを気付いたらしく、後ろを気にしているようだった。
それから5分後……
「なんでずっと私の後ろ歩いてんのよ! アンタ当たり屋のうえにストーカーですか?」
一ノ瀬さんは急に後ろを向いたと思いきや、オレにそんなことを言ってきた。
「なんだと! この道はオレの帰り道なんだよ! ほら、これがオレの家だ!」
斗真は目の前の家を指さした。
「嘘でしょ……」
一ノ瀬さんはまるで信じられないかのように目を見開いて驚いている。
フン、やっと自分が僕様にヒドイことをしたか理解したようだ。
ほら、早く謝りやがれ。
「うち、あの家……」
一ノ瀬さんはオレの家の二軒先の家を指さした。
「夢だろ…………」
なんの因果が生み出した運命なのか、二人はご近所さんでした。
「最悪。菌が移るわ」
オレは一ノ瀬さんの第一印象など忘れ、嫌いになった……、そんな日でもあった。
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