30人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうだよ」
「あっしは場をぐちゃぐちゃにするよ?落ち零れだし」
「そんなこと、ないだろ。皆楽しめるはずだ」
「あっしが全種目優勝するのにかい?誰もあっしには勝てない、そんな状況で誰が楽しめるって?」
空気が読めてないなぁ、たーくんは。
あっしなんか、ほっとけば楽しめるよ。
そう続けざまに言う零。
「そうだね。いつもならそうかもしれない。だけど、今回は違う」
「……?」
「団体は衆の力が試される。いかに零だからって簡単には勝てないだろうね」
「……本当にそう思うの?」
なんて顔して聞きやがる。
諦めながら、希望を持ってるような。
そんな顔されたら……期待に応えたくなる。
「よし、じゃあこうしよう。零は最初一人で出なよ。それで、僕達団体と一対多で戦おう」
「……へぇ」
「僕達のメンバーは分かるよね?いくら零だからって、これだけの面子を一気に相手するのは無理じゃない?」
「はは、無理?無理だって?たーくん、あっしを舐めてないかい?世代最強はどんな状況だろうと揺るがないさ。いいよ、久しぶりに空気を読みたい気分になってきた」
……乗せることは出来たみたい。
しかし、自分の口の上手さに酔いしれていたのが悪かったのか。
この後の提案に、僕はあっさりと乗ってしまった。
「ただし、たーくん達が負けたらあっし、学園からバイバイするね」
最初のコメントを投稿しよう!