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私立不和学園
日本における魔法の存在の賛否両論、認可不認可により分断された首都東京の“認可”側、東京の約半分、主に東側を支配する“賛成派”
その“賛成派”により作られた、試験的魔法学校の一つ。
それが私立不和学園。
今年に作られた学園であるが故に、校舎は新しく、歴史は無い。
先輩も、OBもいない。
完全に、“賛成派”の資本を頼りにした不安定校。
しかし、またしてもそれが故の、生徒への好待遇。
学費は完全にゼロ。
全寮制で入寮費も無し、学食もタダ、お小遣いあり。
例えるなら、学校で生活するというアルバイトなのかもしれない。
実験とも言える。
魔法は一体どんな物なのか?
それは人為的に作成出来るのか?
“賛成派”の到達目標はただ一つ。
“星”を脅かさぬ、兵器の完成。
それを、魔法と捉えている。
馬鹿だ、と僕は思う。
まぁ、そんなことを言いながらも、既に5月は中盤。
ゴールデンウイークが終わりを告げ、新たに始まる学園生活にうんざりしながらも、ルーチンと化した登校を今日も行う、僕がいた。
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