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「もう!私時間無いんだから早く受け取ってよ」
ポカンと間抜けな顔をした色男に、無理矢理おしつける。
受け取ったのを確認して、だいぶ弱くなった雨の中に飛び込む。
「お……おい、待てよ……コレ!」
「安物だから気にしないで!」
これ以上濡れる訳に行かないので、戸惑う色男に怒鳴り気味で答えカフェテリアを後にした。
雨宿りした場所から会社まで、1時間。
いや、1時間は言い過ぎかな?
体力のない私には1時間に感じたが、実際には5分って所だろう。
コートで包んだバッグを大事に抱え、息切れしながら会社に駆け込む。
そのまま着替えもせず、職場であるオヒィスに向かい、恐る恐るバッグを覗く。
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