第1話

17/26
前へ
/26ページ
次へ
その為か、義務化されてなくても着用している人は少なくない。 勿論、私もその1人だ。 「服は干したし、髪だってそのうち乾くよね?」 大きな備え付けの鏡の前で、長い髪をお団子にまとめ、1人ごちしてみる。 身支度が出来ると、職場に向かう。 「遅くなりました」 「ラッキーだったじゃない。今日は上司は不在よ」 長い足を組、パソコンを操作する愛里さんに頭を下げる。 本来なら部長に報告すべきだが、部長も課長も不在だ。 綺麗と言うか、可愛らしい笑顔をする愛里さん。 この笑顔に、何人捕まったんだろう。 そんな事を、頭の片隅で考えつつ仕事に取り掛かる。 まだまだ入社して間もない私の仕事は、雑用が主。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

127人が本棚に入れています
本棚に追加