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その頃の圭の家族も、いろいろ問題があったようだが、心が冷めきっていた私には他人事。
目の前で、泣き叫ぶ女性がいても、私にはただの風景としか受け取れなかった。
今思い出しただけでも、背筋が凍る程怖い子供だった。
「あやめ、どうした?
もしかして、具合でも悪いんじゃないか?」
「あっううん。
なんでもない、まだ寝惚けてるだけだよ。
ってか、もうこんな時間だよ」
時計を見ると、出勤時間をとっくに過ぎていた。
昔の思い出を思い出すと、いつも周りが見えなくなってしまう。
圭に注意されてるけど、こればかりはなかなか治らない悪い癖。
癖と言うか、一生消える事のない傷かな。
今では笑顔も板に付いてきた。
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