第一章 混沌の始まり

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志織と別れるT字路まで来た。私が行く先は自分の家ではない。 ちる「じゃあね~志織ぃ。」 志織「うん、またね。」 私はいつも通り走り去り、いつもとは違う場所へと向かった。 志織「…………。」 ―――ヒズミ市都市部 人の歩く音が目に響き、車の走る音が頭に響く。 しかし、世界はこれが普通だ。無音の世界など夢の中くらいだろう。 ちる「………む。」 都市部に来てみたが、何をしようか、準備どころか考えてもいない。 ちる「やっぱ来ただけじゃダメだよね。」 とりあえず、歩いて回ろう。 家電量販店や生活用品店のビルが建ち並ぶ、表通りを歩き回る。雑踏の中に紛れて探すという、効率の悪さは何とも言えない。 ちる「こんなんじゃ見つからないな。」 ぶらぶらと歩いているうちに夜も更けようとして9時になってきた。 ちる「そろそろ帰ろ。」
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