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志織と別れるT字路まで来た。私が行く先は自分の家ではない。
ちる「じゃあね~志織ぃ。」
志織「うん、またね。」
私はいつも通り走り去り、いつもとは違う場所へと向かった。
志織「…………。」
―――ヒズミ市都市部
人の歩く音が目に響き、車の走る音が頭に響く。
しかし、世界はこれが普通だ。無音の世界など夢の中くらいだろう。
ちる「………む。」
都市部に来てみたが、何をしようか、準備どころか考えてもいない。
ちる「やっぱ来ただけじゃダメだよね。」
とりあえず、歩いて回ろう。
家電量販店や生活用品店のビルが建ち並ぶ、表通りを歩き回る。雑踏の中に紛れて探すという、効率の悪さは何とも言えない。
ちる「こんなんじゃ見つからないな。」
ぶらぶらと歩いているうちに夜も更けようとして9時になってきた。
ちる「そろそろ帰ろ。」
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