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二週間、私は事件の調査を続けていた。しかし一度も事件に遭遇する事はなかった。
ちる「またねぇ、志織。」
志織「うん、……気をつけてね。」
ん?
ちる「知ってた?」
志織「うん、ずっと知ってたよ。」
恥ずかしい訳ではないのに私は照れた。
眉をひそめながら微笑む志織。
今の彼女の笑みは妹を心配する淑やかな姉の顔だ。
ちる「やっぱり志織には隠し事は出来ないな。」
志織「何で事件を探してるの?事件にあったら殺されちゃうかもしれないよ?吸血鬼の噂も出てきてるし。」
ちる「うん、でも凄い気になるんだ。自分でも分からないくらい。」
何故私はこれほどまで事件を気にしているんだ?
殺人事件なんかとは無縁な一般凡人なのに。
まるでマンガの主人公の展開を探しているみたいだ。
ちる「それに吸血鬼は噂でしかないから大丈夫だよぉ。」
志織「あんまり無茶しないでね。本当に巻き込まれたら冗談じゃ済まないからね。」
ちる「うん、大丈夫だよ。ありがとう、志織。」
志織には悪いが今日は気合いを入れて探すつもりだった。
志織「………。」
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