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気合いを入れて来たが、準備するものは気合いぐらいだった。
他にあるなら事件に遭遇した時の覚悟だろう。
……こっちの方が大事ね。
ちる「さぁて、今日は裏通りを探し廻るかぁ。」
メインストリートを歩いて回り、しばらくして裏通りに入った。
明日は土曜日で休みなので遅くまで探すつもりだ。
気合いはその為に入れてきたのだ。
……気合いを入れて来たのは良いものの、さすがに裏通りは少し暗い。街灯はあるが逆に不気味さを増しているだけだ。
正直言うと、
ちる「夜の裏通りってちょっと怖いかも…。」
人通りは少ないが、それが良いのか悪いのか分からない。
こんな雰囲気だとすれ違う人全員、怪しく見える。
自販機が五台並び、他と比べると一番明るい街灯の前まで来た所で、
ちる「……ダメ。……怖すぎ。」
来た道を戻ろうと振り返ろうとした。しかし、先に私の後ろに立っている気配に気付いて首筋がヒヤリとした。
?「貴女。」
声に呼ばれて恐る恐る振り返ると、
金髪のロールで、漆黒が主体の真紅が混じったドレスを着た、西欧系の少女が立っていた。
ちる「な、何?お嬢ちゃん。」
私は異様な格好の少女に不安を抱きながら返答した。
しかし………
少女「はぁ?お嬢ちゃんて……。貴女、何私の事子供扱いしてんのよ。」
ちる「えっ?あ、ぅえ…?…ご、ごめんなさい…。」
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