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「じゃあな誠!また明日な……すまん。また明後日な!」
「……あぁ、またな」
友達と別れの挨拶をすまし、帰路につく。はぁ、あいつはもう知ってるんだろうな……。おれが普通とは違うって。
「ただいまぁ」
もう見慣れた暗いマンション、自宅のドアを開け誰もいないのに帰宅の知らせを告げる。
電気を点け、玄関に置いてあるカレンダーに目をやる。
「また……明後日か。なんでおれだけこんな……」
部屋に入り、タンスの奥から古くさいアルバムを取り出す。小学校の卒業アルバムだ。
「……この頃は野球ばっかりしてたなぁ……また思いっきり、みんなと野球してぇなぁ」
別に大学のサークルに野球がないコトはないのだが、おれにはサークルに入れない理由があった。
「まぁいいや、寝よう」
眠るコトに対する不安感を覚えたのはいつからだったかな……。
そしておれは、ある夢を見たんだ。
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