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朝の眩しい光……と思ったら夢の光でわたしは目を覚ました。ダボダボのパジャマに足を取られながら洗面台へと向かう。淡い期待を胸に鏡を見ると、ソコにはやっぱりわたしがいた。
「はぁ……やっぱりよくないよ。ちっとも凄くない」
俯き頬をぺちぺち叩いたアト、つねってみた。もうどうしようもないコト。割り切るしかないのかな。
「行ってきまぁす」
もう見慣れた暗いマンションを出て春から通っている大学へと向かう。というか、日が昇ってるのに暗いマンションとか不味いと思うんだけど……。
朝の静まり返った街。ひんやり気持ちいい空気のなか歩いていると、一際大きな声に名前を呼ばれた。
「おっはよぉ真琴!今日はのんびりだね?って違うか?私がいつもより早いのか!アハハ」
笑いながら近づいてくるあの子は渚。斎藤渚、わたしの友達。
「渚は朝から元気だね。わたしなんか既に帰りたいよ……」
「アハハ!真琴ソレ早すぎ!せめて学校着いてからにしようよ!」
渚はこんなお気楽キャラだけど、もうわたしの秘密に気付いてるのかな?
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