58人が本棚に入れています
本棚に追加
大学の授業も終わり、わたしはそそくさと帰路につく。渚は「一緒にサークル入ろう」って言ってくれるけど、わたしには思いっきりサークル活動出来ない理由がある。
わたしの通ってる大学は選択授業なので、次来るのは明後日になる……のかな?
一人、マンションへと歩きながら心の中でそんなコトを呟いてみる。空を仰いでも自由な雲に嫉妬してしまうだけだから、わたしは俯き早足で帰る。
「ただいまぁ」
自宅のドアを開け誰もいないのに帰宅の知らせを告げる。
電気を点け、玄関に置いてあるカレンダーに目をやる。
「また明後日か……なんでわたしだけ……」
玄関でガックリ肩を落とし、シャワーを浴びてソファーにダイブする。全てを忘れられる至福の時……。
わたしは基本、一度家に入ったら外には出ない。極度のインドア派、渚には「カワイイのに勿体ないよ」とか言われるけど、コレもそう。わたしにはむやみやたらに外に出れない理由があった。
ソファーでごろごろしていたら、いつのまにかカーテンから光を感じるコトが出来なくなっていた。すっかり日は沈み、2台ある携帯の画面にはPM11時との表示。
「明日は慎吾くんと約束があったなぁ」
呟きながら起き上がり、明日の準備と着替えを済ませる。ダボダボのパジャマを着てベッドへ。わたしは眠りに就いた。
そしてわたしはコノ日も、ある夢を見たんだ。
最初のコメントを投稿しよう!