真琴、ガンバルっ!

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収拾がきかないとはこの事を言うんでしょうね……みんなそれぞれに行動するもんだから、行き先の無い言霊達が飛び交ってます。 とりあえず、午後の講義始まる前に学校戻んないと……なんでわたしがこんな心配……隣に先生がいますよ? と、 「ほぁぁぁ!間宮さん!ルーヴェさん!あまりゆっくりはしてられないじゃないですか!」 「ん……?そうだった柊!午後一の講義遅刻したら面倒臭いぞ!カエルだから!」 平井先生の言葉と慎吾くんの言葉は、同じ意味を持っていたにもかかわらず、重なった部分が不協和音となって空中に消えました。 「ごちそうさまでした。美味しかったです」 お礼とお辞儀のダブルパンチを披露する平井先生を先頭に、店を出ていく一列縦隊。玉木さんは小さく「したらな」とか言ってましたが、誰も気に留めていませんでした。 店を出て学校へ戻ります。わたし達は依然一列縦隊の陣形を崩していません。誰かが先頭切ってこの空気を壊してくれるのを切に願います。…………いや、別にこのままでもいいか。 「っさて」 急にわたしの横に移動してきた玉木さんは手で口元を隠し、小声で話しはじめました。 「真琴様と碧様に質問なのですが…………こちらのお二方は友達ということでよろしいですか?」 慎吾くんと美樹ちゃんを指し聞いてくる玉木さんは、お昼の気温に当てられ暑そうにしながら質問してきました。 「えぇ、はい。幼なじみの慎吾くんとクラスメイトの美樹ちゃんです」 「そうですか……この資料を見てください」 玉木さんはそう言いながらパンフレットのような紙をカバンから出してきました。 ふむふむ、なになに? 「真琴様のような危惧種認定を社会に定着……とまでは行きませんが、知ってもらうために一泊二日の温泉旅行を計画しております」 わぁ楽しそう……もう棒読みですよ。 「そこで、ご友人も招待して社会との架け橋になっていただきたいのです」 「ちょっと待ってください……ということは、わたしの病気を美樹ちゃんに教えるって事ですか?」 「そうなります……なにぶん我が国に、真琴様や碧様のような国家危惧種認定該当者を授かったのは初めてなものですから」 だろうな……とは思いますけど。 「……詳しいことはまた後日伺いますので」 なら今言わなくてもよかったんじゃないですか? そうこうしているうちに、学校に到着しました。
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