勇者は魔王さまから大変なものを(ry

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「とーにーかーく。私がダメと言ったらダメーっ!子供なんかが聞けるほどあの人の話は軽くないの!」 どちらが子供かが分からなくなるも、一応イリアが親であるということを再認識願いたい。 結局、イリアは大人という名の権力を存分に利用し、メグを無理矢理に抑え込んだ。 当然ながらメグは不満そうな顔をしている。というかメグよ、よくこんな親でこんな真面目になれたな。 「では私は少し出掛けてまいります。もしかしたらそのまま勇者と合流して、手助け程度のことはするかもしれません」 「それはご自由にどーぞ。私はノータッチということで」 これぐらいの放任主義でメグがまだ家にいる頃は生活していた。 メグは幼いころから自立をダメ親から強制され、食事、洗濯等の生活に最低限のことはすべてメグがやっていた。 そして物心つくころには全ての事が自主管理できるようになり、親と子供が逆転したかのような状態になっていた。 もしかしたらメグが家出したのもこのダメ親(現魔王)との縁を切りたかったからなのかもしれない。 「あ、メグ」 メグが管理棟を出ようとしたその時、イリアがそれを制止した。 メグはそれに反応し、イリアのほうを向く。 「まだそのコート、着ていててくれたんだね」 イリアはメグが着ているコートのことをいつ言おうか迷っていたが、このままでは言えず仕舞になってしまうので、今言っておくことにした。 メグが着ているコートはありきたりな、どこにでもあるようなコートだが、メグが城を出る際にプレゼントしたものである。 それから数か月が経つも、彼女はまだそれを着ていてくれた。
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