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銀水晶の嘆泣を詰めた
薄暮の空は墨色で
少女が直視るは過去の華
数多の悲嘆を染み込ませた
大地の叫びが反響する
「カエレ人ヨ、人ノ子ヨ」
大白鴉の羽搏きの音
黎明の空は訪れず
少女が幻視るは過去の夢
天翔ける希望をその腕に
赤い天女が涙する
「クルナ人ヨ、人ノ子ヨ」
掴んだひとつの幸せの為に
別の幸せを失い続ける
繰り返しを繰り返し
終わりの終わりを夢見ながら
紡ぐ連鎖は空の果て
少女が呼ぶのは誰の名か?
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