9/14
前へ
/14ページ
次へ
とても内気な男が酒場に入っていくと、カウンターにきれいな女性が座っていた。 1時間ほど迷ったあげく、男はようやく女の方に近づき、ためらいがちに尋ねた。 「あのう、ちょっとお話をしてもよろしいですか?」。 この質問に女はあらん限りの大声で反応した。 「何、言ってんのよ。今晩あんたなんかと寝る気はないわ」 バーにいた全員がこの光景をまのあたりにした。男は当然ながら救いようもなく、 大恥をかいてすごすごと自分の席へ引き上げた。 数分後、女が男に近づき微笑みを浮かべながら謝罪し始めた。 「ごめんなさいね。驚いたでしょ。私、大学院で心理学を専攻しているんだけど、  ばつの悪い状況にみんながどう反応するか研究中なの」 今度は、男の方があらん限りの声で応えた。 「どういうつもりだ、200 ドルだって?」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加