「オレの名は…」出会い。

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真鍋「ゴメン。オレ、ケーコちゃんの事、何も知らない…。強いて言うなら、帰国子女っていう事と、…ケーコちゃんの輝きに吸い寄せられて、オレが今ここにいるって事だけだね。」  ケーコは照れると、両手で真鍋のTシャツの裾をギュッと掴んだ。 ケーコ「もぉっ…。」 真鍋「いや、マジだよ。オレ、ボクシングしてた頃に網膜剥離になってから、極端な鳥目になっちゃって…。だから暗いトコに行くと見えずらいんだよ。でもケーコちゃんはすぐ見えた!スゲー光って見えたから。」  心配そうに真鍋の目に触れるケーコ。  ケーコの細くて綺麗な指が顔に触れた瞬間、思わずビールの空き瓶を手放す真鍋。  日常生活では空き瓶が地面に落ちると 「カラーン」 と、か弱い音がするが、別世界にも感じるクラブでは大きな音の力で、か弱い音はかき消された。  まるで真鍋のときめく恋心を不思議なケーコの魅力で包み込み、萎縮した真鍋のようにも思える。 ケーコ「目、見えないの?」
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