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真弘先輩のミスやら、その他もろもろの問題を何とかやり過ごし
無事、完成させることには成功したのだが……。
「で……?こっから、どうするんだ?」
狗谷が透かさず聞いてきて…
「あとは、あいつを呼ぶだけなんだが…」
「どうやってです?」
俺の言葉に慎司が問いてきて…
「あー………」
慎司の言葉にただ、言葉を濁して苦笑を浮かべるしか出来なかった。
そこまでは深く考えていなかったのだ……。
(どうやって元気付けようかしか考えれてなかったしな……)
「…まさか……拓磨…考えてなかった……とか言わねーよな?」
真弘先輩がチクリチクリと言葉を刺してくる……。
(えぇ……その通りですよ…)
なんて返答は心の中でしか出来ない。
元はと言えば、俺の意見で皆に集まってもらったんだし
そこまで考えてなかったなんて無責任なことは
口が避けても言えるはずがなかったのだ…。
だが…
「電話して美鶴に頼んでみたらどうだ?」
腕を組ながら言う祐一先輩に視線が集まり
「そうですね。それが、いいかも知れません。今夜はご馳走ですし…大勢居た方が宜しいでしょ」
ニコリと大蛇さんが微笑み
「よっしゃぁ!んじゃ、俺が電話してくるからよ!」
“ご馳走”と言う言葉にすっかり気をよくした真弘先輩は電話がある場所まで走り去る。
助かった……なんて言うのもおかしいのだろうが
これも祐一先生のお陰だ。
「あの……有難うございました…」
コソッと祐一先輩にだけに聞こえるように礼を言うと
「気にするな。これくらい、礼を言われることではないだろう…。」
相変わらず、この人には頭が上がらない。
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