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「ゆ……祐一先輩?!!//」
静かな声の主に気が付くと
驚いてしまい
「……ど…どうしてこ…?!!」
「…………シッ」
大きな声が出てしまって…静かに。と人差し指を口元に押しあてられる。
「俺は本を読みに来ていただけだ…他意はない…」
そして優しく微笑み返され
「……そうなん…ですか…//」
整った綺麗な顔に思わず見とれていると…
「…………おい…まさか俺の存在を忘れてんじゃねぇだろな……?」
と背後から不機嫌な声が聞こえる。
(………あ…)
と思ったのも束の間
「…ん?狗谷もいたのか……気付かなかった…」
悪気なく言う祐一に対し
「………お前……本の読み過ぎで目がおかしくなったか…?」
睨みを効かせた赤い目が祐一を捕らえ…
「……いや?むしろお前は本を読んだ方がいいと思うが………?」
「……あぁん?」
静かに睨み合う両者が怖い………。
いたたまれなくなった珠紀は
「…あ、ね…ねぇ!早く教室にコレを置きに戻ろうよ!遼!!」
精一杯の笑顔を浮かべて遼に言って
「それじゃ祐一先輩!また後でお逢いしましょう」
と図書室を後にしようとしたところ……
「……待て。」
再び静かな声に呼び止められる。
「……な……なんですか……?」
「お前に重たい物を持たせる訳にはいかない。俺も手伝おう…」
「……………え?!」
と珠紀の隙をつき
本を数冊抜き取った。
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