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「お前………名前は何て言うんだ……?」
祐一が静かに問い掛け
「あ、はじめまして。僕は…黒宗 秋(クロムネ アキ)…と言います。」
「……秋か…これから宜しくな?」
彼との出会いが─
これから、深い哀しみを生む事を、ここに居る誰もが思う事もしなかった─────。
─大蛇家─
「……………まったく…」
静かな庭を見つめながら
小さく言葉を吐き捨てた卓は
目を細めて─何かを探るように
赤く染まる空を見つめ…
「今日は嫌に虫達が騒ぎますね…」
どこか疑い深く──そして少し哀しみの色を混ぜ
「何も起こらなければ良いのですが………」
そう小さく呟いた言葉は空気にへと溶け入る───。
(でも……どこかで…逢った気がする───)
そして歯車はゆっくりと
絡み合いながら動き始めたのであった────。
★#2、END★
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