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今日は学校が休日の為
朝から宇賀谷家に集まっていた───。
「あーーーっ!!たぁくまぁあぁ!!俺の餅取りやがったなぁあぁ?!!」
「取ってませんよ!人のせいにすんのも、いい加減にして下さいよ!真弘先輩っ!!」
「だったら、誰が俺の餅を取ったっつーんだよ?!」
「知りませんよ!案外、近くに居るんじゃないんですか!?」
「あぁん?!近くに居るっつったら……」
「………もきゅ?モチ…うまぁー♪」
『「く……」
「お………」
「クリスタルガイィイィ!!!」
「尾崎ぃいい!!!」』
「ニーーッ?!!」
「待ちやがれクリスタルガイーーィッ!!!」
………………………。
「やれやれ…餅の一つや二つくらいで騒ぐとは…」
「………チッ…うるせぇ…」
「ちょっと!拓磨先輩!真弘先輩!そんなに暴れちゃダメですよ!!」
朝から美鶴と珠紀が餅を作ったらしく……皆で食べる事になったのだが…
取っただ、取ってないだで騒ぐ真弘。
それに振り回される拓磨と
真弘の餅を盗んだ真犯人のオサキ狐のおーちゃん。
そして、離れた場所で
ゆったりとお茶を呑む卓に
苛々した態度を隠そうとしない不機嫌な遼……。
真弘と拓磨を止めに入る慎司に………
「………っと…狐邑くんは、この騒ぎの中よく眠れますね……」
「…………どうなってんだ…こいつの耳は…」
「さぁ……?どうなってるんでしょうか?気になりますね……」
自分に視線が集まってるのも気にせず、眠りにつく祐一………。
相変わらずの皆だ。
「いい加減にしなさい!!二人とも!!!」
珠紀の怒声にピタリと動きが止まり
「さすが…我、玉依姫の力は偉大ですね…」
「………フン…アホくせぇ…」
「さすが珠紀先輩です!」
おー。と三人の歓声を浴びながら珠紀は続けて二人を叱る。
「おーちゃんをイジメないでよ!」
「おいおいおい…ちょっと待て珠紀!元はと言えばコイツが悪ィんじゃねぇか!!」
「……はぁー……なんか、どうでも良くなってきた…」
珠紀のお決まりの言葉に
抗議する真弘と呆れる拓磨……。
本当に何も変わらない日常────。
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