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「……………ん……」
朝日が昇り始めたと共に
目を覚ました珠紀は、態勢を起こしてから枕元の近くに置いていた目覚ましに手を伸ばし時間を確認した。
「……まだこんな時間か…」
そう小さく呟き
自然の力に身を任せ
バフッと布団に倒れた。
すると…
「ニー…」
と小さく鳴いて
オサキ狐のおーちゃんは
寝床を変える為に
布団の上を移動する。
「あ…おーちゃんゴメンね……?」
「ニーッ」
珠紀が詫びを入れると
おーちゃんは
再び珠紀に近付き
自分の背をあてる様に
身体を丸め
また眠りについた……。
「おはようございます。珠紀様」
台所から香ばしい匂いが漂っていて
空腹の腹を刺激した。
「おはよう美鶴ちゃん。ん~すごくいい匂い!今日の朝食は何かな~?」
鼻歌を歌いながら
自分の卓にへと着く。
「大したものなど、ご用意出来ておりませんが…」
そう言って美鶴は珠紀の前に色とりどりに盛られた料理を食卓の上に並べていく。
「すごーい!さすが美鶴ちゃん♪」
珠紀は並べられた料理を見て
その立派さに感動した。
「い…えいえ!私なんて、まだまだですっ……///」
美鶴は珠紀の反応と言葉に顔を赤くしながらブンブンと首を振って否定したのだが
「美鶴ちゃん!!グッジョブ!」
ビシッと親指を立て
「立派な花嫁さんになれますよ!」
「ニーッ」
ウィンクをしながら言う珠紀に続き
おーちゃんが鳴いた。
(………珠紀様……)
そんな両者に押されてしまい美鶴は複雑な想いが胸で交錯し胸の中で秘かに涙を流したのだった。
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