#3、黒宗 秋。

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翌朝───。 昨夜の頭が割れそうに痛んだはずなのに今朝は何とも無い───。 あれは何───────? 頭を押さえて寝起きの状態で考えるが上手く思考がまとまら無い………。 変に考えても時間が経つだけた。 気持ちを入れ替えて 学校に行く準備を始めるのだった─────。 「あ、おはようございます。珠紀先輩」 後ろから慎司に声を掛けられ足を止めた。 「おはよう。慎司くん」 いつも一緒に居るからだろうか? 心細い時に守護者達の顔を見るだけで前を向ける気がした──。 「あ、拓磨先輩ー!」 慎司が拓磨の姿を見つけ元気よく手を振る。 それに気付いた拓磨も軽く手を振り、足を止めて待ってくれていた。 「おはようございます。拓磨先輩。」 「ん、はよ…」 「おはよう。拓磨」 「おー…おはよ」 まだ眠たそうな拓磨と並んで一緒に登校していると… 目の前にどうやら道に迷ってしまった感じの少年が居た────。 近付くにつれ確信に変わる。 あれは────秋だと。 「あれ……黒宗くん、どうかしたの?」 慎司が声を掛ける。 すると、ゆっくり振り向き 「…………学校って………こっちだっけ?」 と、学校とは逆方向を指さして突っ立っていた。 来たばかりとは言え、 そこまで分からなくなるものだろうかと思ったが… 「お前……もしかして方向音痴…」 「…黙れっ!!!//」 拓磨の言葉に顔を真っ赤にして反論するも…反対に固定する羽目になり 「……はぁー……仕方ねぇから学校までなら連れて行ってやるよ…」 「……あ………有難う…」 その際にチラリと秋と珠紀の目が合ったが すぐに反らされてしまった………。 分からない────。 彼が分からない────。 だが、 『近付きすぎてはいけない──』 何かにそう 強く言われている気がした────。
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