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学校に着き、慎司と秋に別れを告げて
自分達の教室にへと向かう拓磨と珠紀───。
そんな最中…
「…どう思う?」
「……え?」
拓磨のいきなりの問い掛けに素早く反応出来ず
気の抜けた返事をしてしまった………。
「……………はぁ」
と軽く溜め息をつき
「あいつだよ…黒宗 秋」
「…………あぁ…」
「お前…大丈夫か?
昨日から心、ここにあらずって感じだぜ?」
「…へ……平気だよ?…」
拓磨の問いに思わず苦笑いを浮かべるも、どうしても完全に平気なフリなど出来るはずも無く…
「………あんま無理すんなよ?」
拓磨の気遣いが何故か胸を締め付けた……。
だが、それを押し隠し、先程聞かれた問いをゆっくり答えていく…………。
「…秋くんは………よく…分かんない…かな……」
これが………頭を回転させて出た答えだった…。
他意はない。
本当にそのままの意味となった…………。
「………ま、そうだよな…」
拓磨も困った感じに頭を掻く─────。
誰に聞けばいい────?
彼の事を誰に聞けば助かるのか…
それが分からない───────。
彼が持つ不思議な力──
まだまだ調べる事があるはずなのに
何故だろう───
誰も探ろうとはしない気がした─────。
自分の身は自分で守れ───。
そう言われている気にもなった───────。
黒宗 秋。
いずれ彼に飲み込まれてしまう────
そんな恐怖に珠紀は支配されていた─────────。
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