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そんな少し違和感を感じながら、静かな時はあっという間に過ぎ…
皆は自分の教室にへと戻って行く──
しかし
珠紀は拓磨の腕を取り
小さく囁いた…
「………一人にならないで…」
「…………え?」
拓磨は不思議そうな顔をして珠紀を見つめたが
珠紀はすぐに階段を降りて行ってしまった──。
一人にならないで───
この先、何かが起きる事を
きっと…珠紀だけは予測していたのだろう……
珠紀の様子がおかしい事には気付いていた……。
だが、その理由が分からないから見て見ぬフリをしていたが…………
ここは一度帰ったら大蛇さんに相談しよう…
と拓磨は強く思い続けて階段を降りて行った……。
不穏な足音は一つ、また一つと近付いているのを…
守護者の面々はまだ誰も気付く事は無かった─────。
─大蛇家─
RRR……RRR…
学校が終わりの時間の事。
聞き慣れた電話音が鳴り響いた。
「………はい、大蛇ですが…」
『あ、俺っス…鬼崎です』
「おや……鬼崎くんから電話とは珍しいですね……どうか…しましたか?」
『実は頼みたい事がありまして……』
「………頼み……事ですか?」
『………はい。実は──』
拓磨のいつになく真剣な声を聞き卓も拓磨の言葉に集中する………。
そして……
「……ふふ、そんな御用でしたらお安いものですよ」
やんわりとした口調で言うと
『………本当っスか?!有難うございます。じゃ、また明日に…』
「……えぇ。それでは、また明日。お待ちしていますよ」
それから電話はガチャリと切れ無心音に切り替わる。
「…………不安になる事はありません。私達は……あなたの味方なのですから…」
この場には居ないが
我が、玉依姫に捧げる言葉を呟いた。
皆が傍にいる──。
そして、何も知らない玉依姫の珠紀は
スヤスヤと眠りについていた───。
まさか自分が寝ている間に
とある事が繰り広げられているとも知らずに─────。
★#3、END★
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